oyalox
腸管出血性大腸菌
腸管出血性大腸菌は、大腸菌群の中でも「ベロ毒素」を産生するもので、強い病原性があります。腸管出血性大腸菌による感染症は、感染症法では三類感染症に分類されている全身性疾病です。重症化や死亡につながる恐れがあり、これまでにも重大な事故が発生しています。食品を原因とする感染だけではなく、ヒトからヒトへの感染、水を介した感染が報告されており、調理従事者以外の方も衛生管理が必要です。
腸管出血性大腸菌の特徴
常在場所牛などの腸管内
症      状腹痛と水様性の下痢(重症化すると血便も)
性      質
 
・ 血清型により細かく分類される中、O157の感染が世界的に多く、日本では次いでO26、O111等の事例が報告されています。 感染者数が多い子どもと高齢者
・ 子どもや高齢者は、溶血性尿毒症症候群や脳症を起こしやすい。
・ 夏から秋にかけて多く発生。
★気温の低い時期でも発生しています。
腸管出血性大腸菌に感染する主な原因
菌に汚染された飲食物の摂取、感染している人の糞便で汚染されたものを口にする(不十分な手洗い等が原因)と感染します。
腸管出血性大腸菌 主な感染経路
感染予防のポイント
飲食店や食品工場では
主に対象となる方:  調理従事者の方、バーベキュー等をする方など
基本的な食中毒予防対策の実施。
肉類は75℃・1分間以上、中心まで加熱する。
生肉を扱った調理器具などは、熱湯または、次亜塩素酸ナトリウム(ピューラックス)で消毒してから次の作業に用いる。
・ まな板の消毒方法はコチラ
・ 調理器具の消毒方法はコチラ
・ ふきん・ダスターの消毒方法はコチラ
二次感染に注意!
野菜や果物を非加熱による加工や浅漬等によって提供する場合は、洗浄した後に次亜塩素酸ナトリウムなどで殺菌する。
関連ページ
生食用野菜は殺菌処理が必要です 次亜塩素酸ナトリウム希釈液の「濃度管理」
福祉施設やご家庭では
主に対象となる方:  乳幼児や高齢者の方、保育や介助に携わる方など
乳幼児や高齢者の方は、加熱不十分の牛肉や牛内臓を生で食べることはひかえること。
食事の前、排便後、排泄物のケアをした後などは石けんと流水で十分に手洗いをする。
食事の前や排泄ケアの後の手洗いが大切です。
【感染している人、または感染が疑わしい人がいる場合】
便で汚れた下着は、次亜塩素酸ナトリウム(ピューラックス)で消毒する。
二次感染を防ぐため、感染している人の後に入浴しない。
その他
井戸水を飲用や食品加工・製造等に使用する場合は、水質に注意し塩素消毒したものを用いる。

参考文献
厚生労働省ホームページ「腸管出血性大腸菌Q&A」
食品安全委員会「食品健康影響評価のためのリスクプロファイル ~牛肉を主とする食肉中の腸管出血性大腸菌~」(改訂版)
社団法人日本食品衛生協会「わかりやすい細菌性・ウイルス性食中毒」
このページの先頭へ